小1算数の繰り上がりは丸暗記でいい?覚えさせる前に知っておくこと

小学生の勉強・つまずき対策

「さくらんぼ計算、毎回めんどくさい……」
「九九みたいに『7+6=13』って丸暗記させちゃダメなのかな?」
繰り上がりのたびに時間がかかる我が子を見ていると、いっそ答えごと覚えさせたくなりますよね。

先に結論をお伝えします。
「意味を理解しないままの丸暗記」はおすすめしません。でも、「理解したうえで、結果的に覚えてしまう」のは大歓迎です。 大切なのは順番。ここを逆にすると、後で必ずつまずきます。

この記事では、なぜ最初の丸暗記が危ないのか、そして「覚えさせる」前に親が知っておきたい正しい順番をお伝えします。

なぜ「いきなり丸暗記」はおすすめできないの?

繰り上がりの答えを、意味がわからないまま丸暗記させるのは、いわば砂の上に家を建てるようなもの。一見うまくいっているように見えても、後でこんな壁にぶつかります。

理由1:繰り下がりや2桁で、一気に崩れる

「7+6=13」を暗記でしのげても、引き算の繰り下がり、やがて2桁・3桁の計算が出てきたら、暗記だけでは到底追いつきません。土台にある「10をつくる感覚」がないと、応用がまったく効かないのです。

理由2:「考えない子」になってしまう

意味を考えずに答えだけ出す習慣がつくと、少しひねった問題や文章題で「習ってない」とフリーズしがちに。算数は積み上げの教科。最初に「考える楽しさ」を飛ばすと、後の伸びが頭打ちになります。

理由3:覚えきれず「算数嫌い」になりやすい

足し算の組み合わせは想像以上にたくさんあります。意味の支えがないまま全部を暗記するのは、子どもにとって大きな苦痛。「覚えられない=自分はダメ」と感じて、算数そのものを嫌いになるリスクが高いのです。

じゃあ暗記は全部ダメ?いいえ、「順番」が大事

ここで誤解しないでほしいのですが、暗記そのものが悪いわけではありません。むしろ、スラスラ計算できる子は、結果的に「7+6=13」を覚えています。

ポイントは、それが「理解したうえで、繰り返すうちに自然と覚えた」状態だということ。暗記は”スタート”ではなく”ゴール”なのです。目指すべき順番はこうです。

  1. おはじき等で「10をつくる感覚(10の合成・分解)」を体感する
  2. さくらんぼ計算などで「なぜそうなるか」の意味を理解する(やり方はさくらんぼ計算が意味ない・わからない?で解説)
  3. 同じ計算を繰り返すうちに、自然と答えを覚えてしまう

この順番なら、暗記は「考えなくてもパッと出る」という心強い武器になります。繰り上がり・繰り下がり全体の進め方は、親記事の【小1算数】繰り上がり・繰り下がりでつまずく子へもあわせてどうぞ。

「覚えさせたい」と思ったときの、正しい関わり方

反復するなら「理解できた計算」から

意味が分かった計算を、ゲーム感覚で何度も口に出すのは効果的です。「10になるペア(1と9、2と8…)」をクイズにして繰り返すと、暗算の土台が自然と”暗記レベル”まで定着します。

急がない。スピードは後からついてくる

「早く覚えて!」と急かすほど、子どもは丸暗記モードに逃げ込みます。「意味が分かってれば、覚えるのは後からで大丈夫」と、どっしり構えてあげてください。

声かけのコツ

覚えていなくても、考えて答えを出せたら、まずそこを褒めます。
「答えを覚えてなくても、自分で10をつくって出せたね。それが一番すごいことだよ」。暗記より”考えられたこと”を価値づけると、子どもは安心して土台を育てられます。

暗記は「スタート」ではなく「ゴール」

繰り上がりを丸暗記でしのぎたくなる気持ちは、とてもよく分かります。毎回さくらんぼで時間がかかる我が子を見ていれば、「いっそ覚えてくれたら」と思うのは自然なこと。でも、意味を飛ばした暗記は、後でつまずきの原因になりがちです。目指したいのは、「10をつくる感覚」を土台に、繰り返すうちに自然と覚えてしまうこと。その順番さえ守れば、暗記は最強の味方になります。

「理解 → 反復 → 定着」の流れに毎日付き合うのは、正直大変ですよね。でも、焦って答えを覚えさせなくて大丈夫。お子さんが時間をかけて自分で10をつくっているなら、それはサボっているのではなく、いちばん大事な土台を今まさに積んでいる最中です。だから答えを急かす前に、「答えを覚えてなくても、自分で10をつくって出せたね。それが一番すごいことだよ」と、その過程をまるごと認めてあげてください。考える力をほめられた子は、安心して土台を育て、やがて答えを”覚えてしまった子”になっていきます。