平成31年度 神奈川県公立高等学校入学者選抜 学力検査の結果

すっかり見逃していましたが、神奈川県教育委員会のホームページに今年の公立高校入試について結果が発表されておりました。
私の見解も含めて書いておきます。

なお、こちらにもわかりやすい解説がありますので、ぜひご覧ください。

全体的な傾向

合格者の平均は、以下の通りです。(カッコ内は昨年比)
英語49.8(-6.3)
国語59.1(-6.5)
数学50.3(-5.7)
理科61.3(+16.0)
社会42.5(+0.7)

全員が5教科を受けているわけではないですからトータルする意味はないのですが、理科が解きやすくなった分英数国は難しくなった、といえそうです。
思ったよりも数学国語の平均点の下がり方が大きいな、という印象です。

英語

2018年英語分布
2019年英語 分布

グラフは神奈川県教育委員会発表の資料から引用(以下同)

平均点が下がっただけあり、全体的に点数分布が下がっているのがわかります。
20点台が一番多い、というのですから、驚きです。

昨年に比べると、問1~4の正答率が下がっていますね。
確かに単語を書かせる問題や並べ替えはなかなかレベルが高かったので、落とした受験生も少なくないのでしょう。
ただでさえ、正答率70%を超える問題が3問(9点)しかありませんから、英語が苦手な子は拾える問題がますます少なくなった、といえます。

書く問題もありますし、前にもふれたとおり読む問題は大量ですので、学校によっては定期テストと入試とのレベル差がますます大きくなっている、といえそうです。

国語

2018国語分布
2019国語分布

国語もボリュームゾーンが1段階低くなった感じがします。例年国語は高得点が出やすかったのですが、点数が取りにくいテストに変わったといえそうです。

まず、漢字、俳句の読み取りの正答率が下がっていること。
「緩衝」「彫塑」「振興」…。確かに身近には出てきにくい漢字が多いですね。
次に、小説も正答率8割越えの問題がなくなっています。
今回の問題は場面設定や人物の設定が身近ではないことで戸惑った受験生が多かったかもしれません。
数年前ですと割と青春ものだったり、さらに恋愛の要素がちょっとあったり、子供たちにとっても少しはとっかかりやすかったのですがね。
さらに最後の作文の問題形式が変わったことも響いている、といえそうです。
問題の本質は大きく変わってないのですが、やはりパターン練習だけしてればいい、というわけにはいかないわけです。

数学

2018数学分布
2019数学分布

昨年にまして高得点も出にくくなりましたし、極端に低い得点もまた出にくいともいえます。
70点以上が全体の6%、逆に30点以下が全体の8%ですから、数学で差をつけるのは難しいですし、逆にここで差がついたら相当大きいわけです。

正答率をみると、25問中7問(34点分)は正答率1桁の一方で、10問(30点分)は正答率80%以上。
難しい問題と簡単な問題の差がより開いたといえます。

正答率が高い問題はやはり問1,2に固まっていますね。
問3以降については目指す学校によってどのレベルの問題までとるのか戦略的になってよいですが、いずれにしてもミスで取りこぼしをしないことが最重要課題です。

理科

2018理科分布
2019理科分布

知識問題が増えた分点数が上がった感じですね。
グラフだけ見るとなんだか鏡に映したみたいですが。

知識問題のように問題を解く手数の少ない問題は例年正答率が高いものですからそこは例年と変わりません。
結局資料を用いて考える問題、実験の考察問題が差の付くポイント。
そういう意味では理科についても学校によって定期テストとのレベル差が気になるところです。

社会

2018社会分布
2019社会分布

昨年とほぼ変わらない難易度です。
ですが、全体の半分弱が20点から40点にいますので、去年よりもこの範囲に人数が集まっているのがわかります。
そして3分野で比べれば、歴史の正答率が総じて低いようです。

細かく見ていくと、正答率が高い問題は決して多くなく、正答率80%以上は1問(3点)、70%以上は0問、60%以上は3問(9点)。
その一方で20%未満は1問(3点)、30%未満は7問(26点)、40%未満は7問(20点)。
実はこの正答率40%未満までをあわせると全体の半分の点数なんですね。

もちろん暗記は大事ですが、暗記だけでは入試には太刀打ちできない、といえます。

まとめ

神奈川県の公立高校の入試問題は全国の中でも指折りの難しさ。
何といっても日本一の読解量がそのことを物語っています。
つまり「よく読んで考える」ことが問われる、ということ。
これは教科の勉強ではなく、日ごろから身につけていかないといけないことですね。

この記事を書いた人

杉原 伸太郎

1977年11月18日東京都生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。
大手学習塾での勤務を経て2010年4月SF-Learningを起業。
「考える力」をつける指導を目指し、未来の担う子供たちを応援。
小学校PTAをはじめ、地域活動にも参加。
常に新しいことを取り入れて、日々変化し続けています。
2児の父。