だいぶ前に勧められて読んだ本。
なるほど、教育と宗教は紙一重ですね。
宗教はなんのため
「教祖は人をハッピーにするお仕事なのです」(本書P13より引用)
日本人は宗教からやや縁遠いところで生活しています。
私も「宗教」といえば、たまーに午前中訪問勧誘に来る人たちを思い浮かべてしまいます。
あるいは世界史で習ったこと、とか。
冠婚葬祭もどちらかと言えば形式的に感じてしまっており、とくに宗教的感情はありません。
それだけに「宗教って何のためにあるのか」ということに対して明確に答えられませんでした。
「人をハッピーにする」
こんなにわかりやすい定義はないですね。
なるほど。この一言だけでもさらに先を読んでみたくなります。
教祖の成立要件は以下の二要素です。つまり、「なにか言う人」「それを信じる人」。(中略)「何か言う人」が教祖となり、「それを信じる人」が信者となるわけです。
(本書11ページより引用)
教育についても、教育をする(教師)の言葉を信じる子どもたちや保護者たちがいて成り立つもの。
「教師の言うことを信じる子どもや保護者」の図式は宗教に似ています。
また、お正月のニュースで映し出される、中学受験塾で子どもたちがハチマキ締めて「エイエイオー」なんてやっている姿はどこか宗教染みています。
置き換えて読むとビジネスにつながる
この本はタイトル通り、新興宗教を作るための本です。
しかし、言葉を置き換えていけば、いろんな部分に使えます。
教祖 → 社長
神、教義 → 経営方針
信者 → 従業員、顧客
などなど
例えばビジネスに置き換えるとすればこんなところでしょうか。
会社もまた宗教同様に「人をハッピーにする」ために存在しています。
そういう意味では、自分の立場に置き換えて読むと、違った見方ができて面白いですね。
チェックリストがついているから安心
各章の最後にはチェックリストがついているので、忘れる心配がありません。
たとえば、
□神は用意したか
□小学生でもすべきことが分かるか
□暦は作ったか
まとめ
その他小ネタも多いですし、宗教の豆知識もたくさん載っています。
学校で習うときってあまりにも中途半端に習いますから、ややもすると宗教家の名前を憶えておしまい、とかになりがち。
しかし、深く追求していくと、宗教的な理由から始まっている出来事もたくさんあるし、今では当たり前のものが実は宗教的な背景がある、なんてこともありますよね。
もちろん私は「教祖」になる予定はありませんが(笑)、教育と宗教はつながるところがありますね。
怖いもの見たさに読むもよし、ビジネスのヒントとして読むもよし、興味深い本です。