立川談慶「落語家直伝 うまい!授業のつくりかた」コミュニケーションは落語で学べ

2本続けて書評を書いてみます。
少し前にFacebookの友人がすすめていたので、読んでみることに。
やはり、落語にはコミュニケーションのコツがたくさん含まれているな、そう感じました。

落語家が書く授業スキルの本

この本では、分かりやすい話し方や間のとり方といった会話のテクニックのポイントから、授業に臨むための心がまえ、子どもとのコミュニケーション方法まで、授業に応用できそうな落語のエッセンスをたっぷりとご紹介しています。
(中略)
もちろん落語と教育では畑が違いますが、畑違いだからこそ相乗効果があると思っています。師匠の数々の名言や私の落語家としての経験、そして落語の持つパワーを掛け合わせると、笑顔あふれる授業コミュニケーションのヒントが見えてきます。
(P9-11 序章より引用)

おそらくは新卒3年目くらいの若い先生向けに書かれた本であると想像できます。
しかし、コミュニケーションを学ぶという意味ではどの年代でも学ぶところのある本です。

いくつか興味深かった章を紹介

キャラは作るものではなく他者が作るもの

テレビの影響からか「●●キャラ」といって、人を区別することが多々あります。

以前も書きましたが、わたくしが若い時に「お前はキャラクターをつくれ」と言われて困惑したことを思い出しました。
なぜしっくりこなかったがこの本を読んでやっと理解できました。

「キャラ」は他人が認めてこそのもの。本書の言葉を借りれば、「目的」ではなく「結果」なんですね。
だからこそまずはしっかり自分のやるべきことをきちんとやり、そのうえで自分のスタイルを確立することがいいんですね。

子どもにあえて「つっこませる」話し方

子どもにこちらを向かせ続けるのは、20年近く塾の仕事をやっている私でも大変に感じることはあります。
もちろんいろいろ工夫して行っていますが、子どもに注目させるためにわざと間違うこともわたくしが使う技の一つ。

「この先生、何かやるぞ」と思うと、子どもたちも集中しますよね。

メリハリのあるコミュニケーションを!

子どもに対して、厳しいだけではだめだし、優しいだけでもだめ。
両方あって、そのギャップがあるから子どもは惹きつけられるのだそう。
そういえば、小中学校のときの担任の先生を思い浮かべてみると、いい先生として印象深いのは、普段と厳しい時の落差が大きかった先生。

最近わたくしが子供を叱る時に注意しているのが、その場で1つ叱ったら、それ以上ぐちぐち言わないこと。
それ以外は優しく接すること。
あまり子供を落ち込ませすぎないように心がけています。

「自信を持つ」ことは子どもに対するエチケット

人間、誰もが自らを信じているからこそこうして生きていられるのですから、すでに備わっているものこそが自信なのです。
(中略)
自信を持つこととは、「あなたの人生の中で最も貴重な『時間』という大切なモノを、奪ってまでして会っている”私”は、それほどの値打ちのある人間なのです」という意味なのです。つまりは、自信は仕事で人と会う上での「エチケット」なのです。
(P129より引用)

自信がもともとあるものと考えるのは、なかなか斬新な見方ですね。
不安に感じることがあると、イコール「自信がない」と思いがちですが、もともと「自分」を信じているからこそ、いまその立場にいる、と思うと、ちょっと安心しますね。

まとめ

そういえば生で落語を聞いたことは今までありませんでした。
せいぜい漫画やら、テレビやらでどちらかというと、落語の世界観がすでに画像化されているものしか楽しんでいません。

落語のだいご味は、その話芸だけで観客にその世界を想像させ、惹きつけていくこと。

近いうちに演芸場とか独演会に行ってみようかな。