刊行されてだいぶ経つ本ですから、いまさらではありますが、こんな本を読んでみました。
松たか子さんとは実は私と同い年。女優さんとして、ではなく、歌手としてファンになりました。
なんてまっすぐな声でまっすぐな歌を歌う人なんだろう、そんな印象を受けた記憶があります。
コンサートもそういえば行ったことがありました。
松本幸四郎さんは「王様のレストラン」の印象がものすごく強いですね。
以前からこの本自体は知っていたのですが、ふと読んでみたくなって購入。
「信頼」と「尊敬」
親子、まして「父」と「娘」となれば、口に出して日常的に会話することは少ないだろうと容易に想像がつきます。
雑誌での連載を通じた「往復書簡」からは、お互いに対する「信頼」と「尊敬」にあふれた親子関係が感じられました。
お互いを歌舞伎役者、俳優として認め合い、プロとプロが対峙している、でもときに親子の絆が見える、そんな気がしました。
それに、木村拓哉くんや松たか子とスタンバイしていても、僕が君の父親であることをまったく意識しないでいられることが、とても心地好くさえある。
それはきっと、君が女優松たか子として、父親である幸四郎から離れて、確固たる自己をもって生きているからであろう。(文庫版P150より引用)
でもね、この往復書簡を通して、わたしたちは何か、大切な心と心のやり取りをしているような気もしているんですよ。その言葉の向こう側から、行間から、語尾の余韻から……、父親の想いを受け取って、娘なりの我が儘な想いを綴っている……。こんな贅沢な親子関係があるでしょうか?
(文庫版P184より引用)
話は家族のことだけでなく、お二人がその当時出られていた舞台、歌舞伎の話が多いのですが、普段知らない世界だけに非常に興味深い。
どういう想いで演じていらっしゃるのか、登場人物をどのようにとらえているのか…。
国語の文章問題で「登場人物の気持をこたえなさい」という問題がありますが、もしかしたらこういうところでは役に立っているのかもしれない。
ぼくらが演じているのは、極々普通の人の人生だ。それをいかにドラマチックに演じるかが僕らの仕事だ。だから特別な人を演じようと思ってはいけない。
(文庫版P67より引用)
まとめ
そういえば演劇をしばらく見ていません。少なくとも、結婚してからは皆無じゃないかな。
小さいころに何度か連れて行ってもらいましたが、内容なんか理解しているわけもなく、せりふ回しとか俳優さんの変わった動きとかそういうところしか注目していませんでした。
この年齢になったらまったくちがうのかな。
そんなことを想像していました。
さて、もう少し書きたいのですが、いったん区切って改めて書くこととします。